女性保険
- メリット
- 一家の大黒柱ではない主婦独自の保障が設定できる
- デメリット
- 女性特有の疾病に対する保障だけを手厚くすることへの疑問もある
女性特有のリスクに対する保障
平均寿命は男性より女性の方が長くなっていますが、乳がん、子宮がん、卵巣のう腫、子宮内膜症、子宮外妊娠、流産、乳腺症など女性には男性にはなかったり、ほとんど罹患する可能性がなかったりする女性特有の疾病があります。そうした女性特有の病気やアクシデントを保障する、女性専用の医療保険を各社は用意しています。それが、いわゆる女性保険とされるものです。
商品形態は、それ単独の商品である場合と、医療保険に特約として付保する場合とがあります。
単独商品では、チューリッヒ生命の「女の幸せって何?・終身保障バージョン」や東京海上日動あんしん生命の「あんしんアミュレット」などのように一生涯保障する「終身」タイプと、損保ジャパンひまわり生命の「フェミニーヌ」(15年・65歳満了)や三井住友海上きらめき生命の「メディカルレディース」(10年・80歳満了)などのように、保険期間や保険対象年齢が区切られた「定期」タイプとがあります。
後者にはアリコジャパンの「わたしの入院保険」のように、入院の有無にかかわらずもらえる「積立ボーナス」や、無事故で10年後の満了を迎えられたら「無事故ボーナス」が受け取れる「積み立て」タイプもあります。
保障内容も様々です。「和の華道W」(第一生命)のように、「公的医療保険、先進医療の対象となる1000種類以上の手術」を保障するものもあります。
特約タイプでは、アフラックが医療保険に加えて「女性疾病特約」を加えることを奨めています。乳がんや子宮がん、子宮筋腫などの治療目的で入院した場合、「女性疾病入院給付金」として1日目から5000円が、やけどあとの瘢痕に対する植皮術や乳房温存の手術を行うと1回につき 10万円が支払われます。 もし、「21世紀がん保険」+「女性疾病特約」に加入して乳がんにな った場合、がん保険の保障に加えてこの特約の保障が上乗せされることになります。
病気ではありませんが、ストーカーによる女性の被害が後を絶たない中、「積立女性保険Rouge」(三井住友海上火災保険、揖保商品)のように、ストーカーなどの第三者から顔にけがを受けた場合に入院保険金などが通常の2倍給付されるものがあります。
女性は一般に一家の大黒柱」ではなく、男性ほど高額な死亡保障を必要としないと考えられています。その分の保障を、こうした女性特有の病気に対する保障にあてようというニーズに応えた商品といえます。
「女性特有の」リスク回避だけで十分か
当然のことですが、どんなに保障が手厚くても「女性特有の」という条件が付きます。前出の乳房や子宮などのがんを含む疾病はたしかに女性にとって気をつけなければならないものですが、女性がかかる病気はそれだけではありません。
国立がんセンターの統計によれば、2004年にがんで死亡した女性12万7259例のうち、もっとも死亡者が多かったのは胃がんで、以下肺がん、結腸がん、肝臓がんで、5位にやっと「女性特有の」乳房がんが入っています。催患者数は1位が乳房がん、以下胃がん、結腸がん、子宮 がん、肺がんの順ですが、結腸と直腸を合われば大腸がんがもっとも多くなります。決して、子宮がんや乳がんや膣がんなどが上位を独占しているわけではないのです。
「女性特有の」がんというのは、そのがんについては女性だけ、もしくは圧倒的に女性が多いというだけのことで、全女性の罹患から考えると、必ずしも第一義的に「女性特有の」ガンを注意しなければならないということではありません。
そもそも、女性特有であろうがなかろうが、病気に対する医療費負担に違いがあるわけではありません。通常治療の自己負担(3割)、高額医療制度なども平等です。「女性特有の」病気だからより保障を高くする根拠はありません。
一般的ながん罹患のリスクに対応するなら、すべてのがんを対象とするがん保険の方が保障としては優れていますし、その選択の方が合理的です。その意味で、「女性特有の」という表現はかりに保険会社の側に悪意がなかったとしても、女性の加入者が選択を誤りかねない表現であ るように思います。
もちろん、遺伝等「女性特有の」がんが特に心配だという場合には、こうした保険も必要ですし、がんだけではなく女性特有の疾病や生活のリスクについて重点的な保障を望むニーズは否定できませんから、加入者の事情や価値観で総合的に検討すべき保険といえるでしょう。
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