第四回:入院保障の活かし方 2/2

保険と貯蓄の役割は長いスパンで判断

たとえば、入院保険金日額が1万円の保険と5000円の保険で、保険料の差額はどのくらいになるか試算してみましょう。

死亡保障なし、1入院あたりの限度日数60日(1日目から支払い)、通算入院限度日数1000日、手術給付金5万円・10万円・20万円という標準的な保障の某社の医療保険(終身型)で計算すると、「1万円」で月々3580円、「5000円」で月々1790円です。差額は30年で64万4400円です。

30年間で、かりに60日入院(つまり10年に1回の入院)したとします。
医療費の自己負担額が約15万円。差額ベッドを半月として計算し、食事療養費などを入れても50万円程度でしょう。「5000円」の場合、ここから保険で給付される日額5000×60=30万円を引いた、20万円程度が最終的な費用となります。「1万円」なら日額10000×60=60万円を受け取れ、差し引き10万円が残ります(この計算では手術費は差がないので計算に入れません)。つまり、「5000円」と「1万円」の差額は、64万4400円一20万円一10万円=34万4000円になります。この34万4000円を保険ではなく貯蓄に回していれば、他の費用に使うこともできます。

もちろん、亡くなってしまえばその後の貯蓄はできません。それに、貯蓄に回すといっても、いくらでも利用価値のあるお金は、その時々の事情によって別のことに使ってしまう場合もあります。確実な保障を堅持するという意味で、死亡保障を含めた保険自体が無意味ということはありません。ただいずれにしても、このように費用対策は目先のことではなく、トータルで判断するという視点が必要です。

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出典:
生命保険のウソ・ホント
著者:
草野 直樹
出版社:
九天社