第三回:保険の仕組み 1/2

保険料は集団での事故の確率で決まる

どうして保険は保険金額に比べてわずかな金額で、多額の保障を得られる「四角」になれるのでしょうか。

険というのは、一口にいえば「万人は一人のために、一人は万人のために」という相互扶助の考えから生み出された仕組みです。将来起こるかもしれない不確実なリスクに多数の人がお金を出し合い、そのお金を運用して増やしながら、リスクに遭った人にはそのお金の中から保険金を支払うことができる制度です。それによって、万人はわずかな支払いで一人が多くの保険金を得ることができるのです。

個人が自らの生涯における災害や病気の有無や、死亡の時期などを予測することは不可能です。しかし、集団としてどのくらいの確率でそれが起こるかは長年の統計から予測できます。保険の仕組みは、個々にとっては偶然の事故を集団全体で確率的に必然化し、適正な予想を行うことで成り立っています。

ですから、生命保険に加入することで、自分が亡くなっても遺族に死亡給付金を残すことができます。約束した時期まで生きていたら、死亡したらもらえるはずのお金を受け取れることもあります。病気になっても、入院日数ごとに保険金が支払われたり、収入が途絶えたらそれを補償したりします。

その仕組みは、紀元前後のローマ帝政時代、コルレギヤ・テヌイオルムと呼ばれた相互扶助を目的とした宗教的組合(職業別団体)が始まりで、確率論や統計学を始めとする合理的な計算基礎をもった近代的保険の成立は、18世紀のヨーロッパといわれます。 我が国に保険制度を紹介したのは福澤諭吉です。『西洋旅案内』という本の中で「災難請合の事-インスアランス-」という表現を使い、生涯請合(生命保険)、火災請合(火災保険)、海上請合(損害保険)の3種類の災難請合について説いています。

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生命保険のウソ・ホント

出典:
生命保険のウソ・ホント
著者:
草野 直樹
出版社:
九天社