第二回:なぜ保険に入るのか? 2/2

貯蓄のメリット

だからといって、貯蓄が無意味というわけではありません。保険に入っていて、もし死亡や入院等の事故がなければ支払った保険料は戻ってきません。しかし、貯蓄を続けるなら何もなければ取り崩すこともなくどんどん貯まっていきます。

たとえば、死亡保障について前ページの例で保険料を65歳まで35年間払い続けたとしましょう。月払いでは160万4400円、年払いで153万4400円を払い込むことになります。そのときまで生存していれば、払い込み保険料は「掛け捨て」ということになります。もし、それを保険ではなく貯蓄にまわしていたら、そしてその貯蓄を投資などで有効に運用していたら、決して侮れない金額に膨らんでいることでしょう。

保険はあらかじめ決められた保障しかありません。1000万円の死亡保険に加入した場合、死亡すれば1000万円を受け取れ、何もなければ何も受け取れません。そのどちらか以外のケースはありません。

ところが、貯蓄してお金として持っていれば、それはいろいろな他のことに使えます。元気でいたら旅行をしてもいいでしょう。長生きのための健康診断や老後の生活費補助、欲しかった自動車や家電製品の購入も可能です。亡くなった場合の保障としての役割は、そこまで生存したことで終わり、今度は別の役割を担わせることができるわけです。

貯蓄と保険のメリット・デメリット

  貯蓄 保険
メリット ・何かあつたときだけ使うので何もなければ貯まる
・あらゆるリスクに対応できる
・入ったときから掛けた以上の保障が得られる ・保障に比べわずかな準備金で済む
デメリット 貯まった分とわずかな利息でできることしか対応できない 支払って何も事故がなければ掛け捨てになる

「三角」と「四角」を「丸」く両立させる

貯蓄と保険はどちらも特徴があり、それぞれを補う形で存在しています。したがって、両者はどちらかだけを選ぶということではなく、大切なのはその兼ね合いではないでしょうか。

自身にとって望ましい費用準備金を実現するために、いくらまで保険に加入し、どのくらいの貯蓄をすべきか、それぞれの生活設計で判断し、四角い保険と三角の貯蓄をバランスよく組み合わせて、丸く収めていくことが大切なのです。

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本書で紹介している各保険商品のデータは、2007年5月現在、各社がWebサイトやパンフレットで公開している情報をもとに、筆者(草野直樹)による調査や意見によって構成しています。各保険商品の詳細は時期より変更されることがあります。商品の検討をする際には、各保険会社に詳細をお問い合わせ下さい。

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生命保険のウソ・ホント

出典:
生命保険のウソ・ホント
著者:
草野 直樹
出版社:
九天社